北村鉄工所の強み
CONCEPT

「丁番」のプロフェッショナルにできること

株式会社北村鉄工所は、「丁番」の専門メーカーです。丁番とはドアの付け根に使われる金具部品のことです。北村鉄工所はこの丁番を科学し、さまざまな付加価値を世に送り出してきました。
普段私たちは、生活の中でたくさんのドアを開け閉めしています。おそらくその回数を数えたことがある方は少ないでしょうし、ドアの開け閉めに丁番が活躍していることを意識している方も少ないでしょう。これはつまり、丁番があって当たり前のもの、常に性能を発揮して当たり前のものだからです。しかし、丁番がなければドアは開け閉めどころか、ドアはそこに存在することもできません。
ドアには、たくさんの機能があります。雨風から室内を守ることはもちろん、防犯性や防音性、さらには火災時には炎や高温に負けず人の命を守る役目もあります。ドアがこれらの機能を発揮するには、これらの機能を備えた丁番が必要です。
一口にドアといっても、その種類は実に多様です。高い気密性が求められるドア、重いドア、たくさんの人が出入りするドアなど、あらゆる用途や場面で北村鉄工所の丁番がドアを支えています。
それぞれのニーズに合った丁番の開発力や実証力、そして提案力は丁番のプロフェッショナルである北村鉄工所にとって最大の強みです。

ここが違う、北村の丁番

時代とともに変化するお客様のニーズにおこたえする形で、北村鉄工所の丁番も進化を続けてきました。
たとえば、開閉回数への耐久性。ドアの開閉回数20万回に耐えられるものであればOKというのがJIS基準ですが、実はこの数字は多くの人が出入りするオフィスや店舗などでは力不足で、環境によっては1年で交換時期になってしまうこともあります。そこで北村鉄工所はJIS基準の5倍となる100万回の開閉に耐えられる丁番を開発。100万回の開閉でも摩耗がわずか0.7~0.9mmの耐久性を実現することで、タフな環境でも使い続けられるようにしました。
その他にもクリーンルームのドアに使用される超低発塵の丁番や、重量丁番、対震丁番など、丁番にできることを常に追求し、時代に先駆けて多くの製品を開発してきました。なお、丁番の金属接触部分を完全密閉することで超低発塵性を実現した丁番は特許を取得しており、リチウムイオン電池など最先端分野での活用シーンも多くなっています。
これらはすべて、お客様の「こういうものがほしい」を形にしたものです。北村鉄工所は、丁番開発を通じてソリューションをご提供いたします。

地震が起きても開けられるドア、逃げられるドアをつくりたい

丁番メーカーの北村鉄工所ですが、事業の柱のひとつとしてマンションのドアに対する耐震改修工事を行っています。ご存知の方も多いと思いますが、地震で建物にわずかな歪みが生じただけでもドアは開かなくなります。1度の歪みが生じただけで200kgの力がないと開かなくなることがわかっており、このことが避難を妨げることが指摘されてきました。そのリスクが現実になってしまったのが東日本大震災です。ドアが開かず外に出られなくなったところに津波が押し寄せ、二次的な被害となってしまったのです。
北村鉄工所は、この問題に取り組みました。歪みに強く、耐震性能を持った丁番の開発に成功し、同様の歪みが発生しても30kgの力でドアを開くことができるため、子供の力でも脱出可能です。この丁番を最も導入するべきなのが、マンションのドアです。マンションには15~20年の周期で大規模改修工事があるため、その工事を行う際にドアの耐震化をご提案しています。
本来はメーカーなので改修工事を手がける立場ではないのですが、大規模改修でドアに関心を持つ方は意外に少なく、それゆえにドアの改修工事を専門に行う業者も皆無でした。それなら自分たちで安全なドアを広め、人の命を守るお手伝いがしたいという思いで、耐震改修工事を行っています。

こんなところでも活躍する、北村の丁番

社会のあちこちで使われている丁番ですが、建築用と産業用というように用途で大きく2つの分野に分けることができます。建築用とはマンションや家、ビルなどのドアに使う丁番で、産業用とは建築機械などのキャビン(運転席)についているドアなどに使われる丁番です。
これらはもともと用途が異なるため、産業用の分野では丁番にそれほど精度が求められることはありませんでした。しかし、今時の建築機械はキャビンの気密性が高められており、どの季節であってもキャビン内の快適性が保たれるようにできています。その快適性を実現するには精度の高い丁番が必要で、北村鉄工所の丁番が広く採用されています。
その他の採用事例としては、文化財指定された建物の丁番があります。文化財指定された建物は、ドアはもちろん丁番についても勝手に交換することはできず、交換するのであれば最初からついていたものに再現しなければなりません。すでに半世紀以上にわたって丁番製作をしてきた北村鉄工所には、古い丁番の製造ノウハウや金型などが今も受け継がれています。これらを利用することで文化財のメンテナンスが可能になるのは、「北村鉄工所だからできること」のひとつだと思います。

丁番づくりで半世紀以上、豊富な実績とノウハウで新しい価値をつくる

北村鉄工所の創業は、昭和8年(1932年)です。すでに社歴の長い老舗企業となりましたが、その歴史はものづくりを通じた付加価値の創造の積み重ねでした。ステンレス丁番や超低発塵丁番など、常に時代に先駆けて新しいものを生み出す開発力を強みとして、お客様のニーズにお応えしてきました。社歴の長さと、それに応じた実績数はお客様からの信頼や期待値につながっており、「こんな丁番を作れないか」というご相談をいただくことも多くなりました。
おかげさまで過去の実績も豊富にあるため、ノウハウや金型なども揃っています。このことは初期費用のコストダウンや製作スピード向上、そしてお客様のニーズをしっかりと捉えたご提案など、さまざまな強みとなって「北村ブランド」となっています。
これからも北村鉄工所は、自分の家にほしいもの、自分がほしいと思えるものを創りだすことを社是として価値を創造してまいります。丁番のことは丁番のプロに、何でもご相談ください。きっと何らかの答えをお出しします。